日本耳鼻咽喉科学会 栃木県地方部会
 

日本耳鼻咽喉科学会 栃木県地方部会へようこそ

栃耳鼻地方部会長に就任にあたって

獨協医科大学耳鼻咽喉・頭頸部外科
春名眞一

 このたび、自治医大市村教授に替わりまして、栃木日耳鼻地方部会長を賜りました。栃木に赴任して4年弱と栃木においては若輩者でありますが、少しでも会員の皆様の助けになるように尽力つくす所存であります。

 さて、現在、栃木耳鼻会員は144名おり、勤務医55名診療所医89名で構成されています(群馬県とは類似数ですが、茨城県は増加傾向にあります)。以前から少しずつ会員の増加傾向は見られますが、勤務医自体の減少(大学病院離れによる)は明らかであります。もちろん、これは全国的な傾向ですが、研修医の首都圏への流れのため栃木における大学勤務医の減少とともに、逆に耳鼻咽喉科の大学病院や一般病院の手術件数の増加(10年前に比べると耳手術は変化ないが、鼻内視鏡手術と頭頸部手術は増加している)、救急疾患の対応、特に小児に対しては受診傾向が多く、勤務医の疲弊の原因となっています。全国的にみると、栃木県は2つの大学病院とともに6つの機関病院(宇都宮済生会、国立栃木、佐野厚生、足利日赤、大田原、県立がんセンター)があり、医療の均衡が維持されております。したがって、病院と診療所との適切な連携をとり、耳鼻咽喉科医の負担を分散させることが必要です。

 将来の栃耳鼻を考えると最も大切なことはやはり会員数を増やすことであります。しかし、今後、どのようにしたら、若い医師が耳鼻咽喉科を選択してもらえるか、日々苦慮しています。以前のように、勧誘会のみでは耳鼻咽喉科に入局してくれません。学生実習での充実はもとより、手術見学、医院の見学、学会への参加などおこなっていますが、短い期間ですので限界があります。大学では、地元枠をつくって、栃木の医師の増加を期待しています。栃耳鼻でも栃木全体の耳鼻咽喉科医が現況を認識していただいて、一致協力して勧誘していただく必要があります。

 北関東道が今年開通すると、北関東の中で栃木は中心となり、首都圏に流れていた患者の流入も予想されます。横のつながりが容易になり、一つの医療圏(北関東医療圏)になるかもしれません。今後、栃耳鼻の役割は重要となっていくと思います。

 昨年の9月に、栃耳鼻は100回記念を行い、日耳鼻理事長や栃耳鼻に功労していただいた先生方をお呼びして、会員の先生には懐かしい場面が思いおこされたのではないかと思います。さらに、150回、200回を目指して栃耳鼻が発展するよう会員の皆様のご協力のほどよろしくお願い申し上げます。