
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会栃木県地方部会について
栃木県地方部会の沿革
栃木県地方部会の沿革 栃木県地方部会の前身である栃木県耳鼻咽喉科医会は昭和28年に大島嘉平が中心となり設立されているが、これが昭和38年に日本耳鼻咽喉科学会栃木県支部となり、さらに昭和50年の日本耳鼻咽喉科学会の組織改編に伴い、新たに栃木県地方部会として同年4月に発足し、現在に至っている。前年の昭和49年には自治医科大学と獨協医科大学が附属病院の診療を開始していたが、まだ日が浅く、県の事情に通じるには日時を要する状態であり、設立準備には開業医が中心となった。そして、初代部会長には支部会長であった日下田潔が就いた。昭和57年からは部会長と事務局が大学へ移管され、第2代会長は古内一郎獨協医大教授、第3代は森田守自治医大教授、第4代は馬場廣太郎獨協医大教授、第5代が市村恵一自治医大教授、第6代が春名眞一獨協医大教授、第7代が伊藤真人自治医大教授となり現在に至っている。
地方部会の構成と運営組織
2024年4月現在の会員数は勤務医師69名、診療所医師77名の計146名であり、学会認定専門医数は112名を数える。栃木県の人口が187万人であるから人口1万3千人に1人の耳鼻咽喉科医がいることになる。勤務医の内訳は獨協医大、自治医大、国際医療福祉大の大学群と済生会宇都宮病院、足利赤十字病院、佐野厚生病院などの病院群であり、病院群の多くは慶応大学からの派遣医師で構成されている。その結果1県1医大という地域と異なり、適度な緊張が保たれてバランスのよい構成となっている。医療提供体制には少なからず偏りがあり、複数名の耳鼻咽喉科常勤医師が在籍する病院の多くは宇都宮市以南の県南地域に散在していることから、特に時間外救急の受け入れ施設が少なく、特に大学病院は多数の救急対応に忙殺されている。
役員、各種委員の内訳は表の通りである。栃木県は面積が広いので、地区代表幹事を置き、連絡の便を図っている。
学術集会
地方部会主催の学術集会には4月の総会並びに学術講演会(会長担当)、9月(獨協医大担当)、12月(病院グループ担当)の学術講演会があり、臨床的なテーマが中心の一般演題と斯界の権威による特別講演から構成され、活発な討論が行われている。また12月の学術講演会と同日に、補聴器相談医の資格更新のための講習会も年1回のペースで行われている。
会報
地方部会誌である「栃耳鼻会報」は地方部会設立以来年2回発行されている。創刊号は昭和50年9月1日発行であり、令和6年4月号が第97号となっている。編集は獨協医大と自治医大で交互に行われている。
地域啓蒙活動
現在、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会では、3月を耳鼻咽喉科月間、7月を頭頸部外科月間と定めて、市民啓発活動をおこなっている。栃木県地方部会においても、以前から開催していた「耳の日相談会」「鼻の日相談会」と合わせる形で、2つの市民公開講座を開催している。
伊藤 真人