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 2001/08/01/ 下野新聞掲載記事

アレルギー性鼻炎に有効 定着進むレーザー手術

自治医大付属病院 瀬嶋尊之医師に聞く

日帰りでき痛み小さい

 花粉症と違い、一年中悩まされるのが通年性のアレルギー性鼻炎。ダニや室内のほこり(ハウスダスト)などが原因とされ、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が続く。長引くと薬だけでは治らなくなり、手術が必要だ。自治医科大付属病院耳鼻咽喉(いんこう)科アレルギー外来担当の瀬嶋尊之医師に、定着しつつあるレーザー手術について解説してもらった。八月七日は「鼻の日」。

 鼻炎は鼻の中の粘膜がはれている状態。特に下鼻甲介(かびこうかい)という粘膜のはれがひどくなる。レーザー手術は、はれた部分を焼き縮め組織を変性させることで症状の改善を図る。
 まず麻酔薬を含ませたガーゼで鼻内に表面麻酔をかけた後、レーザー光線を出す○・六ミリの細いファイバーを鼻内に挿入してはれた部分にレーザーを当てていく。照射時間は片側約十分。
 この方法だと日帰りで済み、出血や痛みは最小限に抑えられるのが利点だ。特に鼻づまりへの効果が高い。
 国内で最も普及している炭酸ガスレーザーを使用した手術は一、二週間ごとに少なくとも三、四回繰り返して行わなければならないが、組織への届く度合いがより高いKTPという物質を用いたレーザーなら一度で済む。
 ただしアレルギー症状が強い人だと、KTPレーザーでも再手術が必要な場合もある。またKTPレーザー自体、台数も少なく歴史も浅いことから「長期的な効果については検討中」だという。現在、スギ花粉症に対する応用も試みられている。
 同病院では、一九九五年六月から今年五月までに延べ三百九十八人にKTPレーザーによる手術を行った。術後の追跡調査によると、自覚症状が改善したのは一年後では80%、二年後も70%。「治療成績はほかのレーザーと変わりない」と結論づけている。
 また、鼻中隔(鼻の中央にあるしきり)のわん曲が原因の鼻づまりの場合は「レーザー手術よりも矯正手術を勧める」という。

■7日に無料相談

 日本耳鼻咽喉科学会県地方部会は七日の「鼻の日」に、鼻に関する無料相談を宇都宮市宮園町の東武宇都宮百貨店四階で開く。
 午前十一時から午後四時まで。耳鼻咽喉科専門医三人が相談に応じる。