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 2015/07/31/ 下野新聞掲載記事

8月7日は「鼻の日」

花粉症の舌下免疫療法

反応抑える効果期待

獨協医大今野医師

「今後の中心的治療に」

 鼻水、鼻詰まり、くしゃみ、目のかゆみ−。生活の質を著しく下げるスギ花粉症。患者数は国民の3人に1人ともいわれる中、昨年10月に保険適用となった新たな治療法に注目が集まっている。アレルギーの原因となる物質を少しずつ投与して体を慣らしていく「舌下免疫療法」だ。獨協医大病院耳鼻咽喉・頭頸部(けいぶ)外科の今野渉(こんのわたる)医師は「今後の中心的な治療になると思う」と話す。8月7日は鼻の日。

 舌下免疫療法は、スギ花粉のエキスで作られた治療薬を舌の下に2分間ほど含んで飲み込む治療。2〜3年間ほど毎日服用することで、アレルギー反応を抑制する免疫反応が起こるとされている。

 今野医師は「抗ヒスタミンといった従来の薬物療法は、アレルギー反応が起きた後に体への影響を食い止める治療。それに対し、免疫療法はアレルギー反応自体を起こりにくくすることができる」と利点を説明する。

 免疫療法としては以前から注射による皮下免疫療法があったが、舌下免疫療法の方が治療薬の吸収が緩やかになるため、アナフィラキシーショックなどの副作用が少ないという。

 注意点は、花粉シーズン中には治療が始められないということ。既にアレルギー反応が起きている体に治療薬を投与すると、過剰に副作用が生じてしまうためだ。「1月半ばまでには治療を始めた方がいい」と今野医師。現在は1度に2週間分しか治療薬が処方されないが、ことし10月からは1カ月分の処方が可能になるため、通院の負担は軽くなる。

 今野医師は昨秋以降、4人の患者に治療薬を処方。舌下免疫療法の効果は2年目以降に表れるとされているが、「1年目で症状が軽くなった患者もいる」という。処方を受けるには、血液検査や基礎疾患のチェックが必要となるため、まずは受診して医師と相談することが必要だ。

 

■宇都宮で来月9日「鼻の日」無料相談/

日本耳鼻咽喉科学会県地方部会は8月9日午前11時〜午後4時、宇都宮市宮園町の東武宇都宮百貨店4階駐車場入り口で「鼻の日」無料相談を行う。

済生会宇都宮病院の藤田紘子(ふじたひろこ)
医師、自治医大の今吉正一郎(いまよししょういちろう)
医師、獨協医大の近藤農(こんどうみのり)医師が相談を受ける。
受け付け終了は午後3時半。