
2006/03/02/ 下野新聞掲載記事
3月3日「耳の日」自分に合った補聴器見つけよう
自治医大/滝沢克巳医師に聞く
購入の前に診療受けて 望ましい認定技能者いる店
■5日、宇都宮で無料相談会
三月三日は「耳の日」。高齢社会による老人性難聴の増加などに伴い、補聴器が注目されている。日本耳鼻咽喉(いんこう)科学会は「難聴によるコミュニケーション障害を改善、補完する医療機器」と位置付け普及を目指しているが、普及率は欧米の三分の一から三分の二程度にとどまる。自分に合った補聴器の購入法を自治医大耳鼻咽喉科の滝沢克巳医師に聞いた。
国内で補聴器を必要とする人は二〇〇一年現在で約六百万人とされる。だが出荷台数に基づく普及率は30%ほどしかない。背景に適切なフィッティング(調整)をしないまま購入し、自分に合わない状態で使用してしまうケースが多いことが指摘されている。
まず近くの耳鼻科で診察を受け、疾患があれば治療する。その上で、基本的な聴力、言葉として聞き取る力などの検査を行い、補聴器の使用でどれくらいの効果があるか見極める。
「耳鼻科医の診察、診断を受けた上で補聴器を購入すれば、有効に使うことができる」と滝沢医師。購入するのであれば、受診した耳鼻科で補聴器店を紹介してもらうことができる。
この際、認定補聴器技能者がいる専門店を選ぶことが望ましい。「補聴器に期待が大きくても、自分に合わないと使わなくなってしまう。いったん検査結果に合わせた状態で一週間ほど試用して微調整し、気に入れば購入する、という店が好ましい」という。
音を大きく増幅して耳に届けるのが補聴器。有効に使うには、話し掛ける側の気配りも必要。近くで口元が見えるよう正面に立ち、ゆっくり区切りながら話すことが重要だ。
日本耳鼻咽喉科学会は耳鼻咽喉科医が診察して補聴器を処方するシステム確立を目指している。滝沢医師は「その人が必要とする機能を見極めて選ぶことが大切です」と話している。
■5日、宇都宮で無料相談会
日本耳鼻咽喉科学会県地方部会は5日午前11時から午後4時まで、東武宇都宮百貨店4階特設会場で「耳の日無料相談会」を開く。
耳の病気や悩み、補聴器の使い方などについて医師3人が相談に応じる。