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 2006/08/05/ 下野新聞掲載記事

8月7日は「鼻の日」

いびき自己チェックを 睡眠時無呼吸は治療で改善可能

足利赤十字病院耳鼻咽喉科 佐々木俊一部長に聞く

■7日、宇都宮で「無料相談会」

 他人に迷惑がられるいびきだが、本人にとっては睡眠時無呼吸症候群(SAS)などにつながる深刻な問題だ。原因を突き止め、適切な治療を受ければ症状は改善する。八月七日は「鼻の日」。足利赤十字病院耳鼻咽喉(いんこう)科の佐々木俊一部長に、いびきのチェック法などを聞いた。

 いびきは呼吸で空気が流れる際、鼻や口の中に狭い部分ができると発生する。鼻炎などの病気や骨格などの体格的原因のほか、睡眠中に舌根を支える筋肉が緩むことでも起きる。

 ▽不規則なら注意

 一定のリズム、音量のいびきであれば問題ない。音量、間隔が変化し、高いびきが徐々に小さくなっていったん止まり、再び始まるような人はSASが疑われる。
 家族らにいびきを聞いてもらえない場合、自分で睡眠の満足度を確認してみよう。起床したらカレンダーに睡眠時間と満足度を記録していく。時間は十分だが満足感がない日が続く場合、注意が必要だ。

 ▽多い潜在患者

 「昼間の眠気という自覚症状もある。無呼吸が一晩に数回なら問題ないが、一時間に五回以上は危ない。SASが認知され始めたのはここ十年ほどで、潜在的な患者は多いだろう」と佐々木部長。同院では年間八十人前後が検査を受けるが、これは氷山の一角という。
 へんとうやアデノイド(咽頭へんとう)の肥大や鼻中隔湾曲症が原因の場合、部位を取り除いたり骨をまっすぐにする手術を行う。服薬で深い睡眠を得られるようにしたり、マスクを着けて空気を送り込むCPAP(シーパップ)という治療法もある。
 佐々木部長は「日本人はあごの骨格が小さい人が多く、太っていなくてもいびきをかく人は多い。またアレルギー性鼻炎など鼻づまりでも、睡眠障害に困っている患者は多い」と指摘する。
 一時間に九十回以上も無呼吸、低呼吸状態があった四十歳代の男性患者が原因のへんとう肥大を治療した結果、数回程度まで減少した例もあり、専門医の受診、治療を呼び掛けている。
 ◇ ◇

 ■7日、宇都宮で「無料相談会」

 日本耳鼻咽喉科学会県地方部会は、七日午前十一時から午後四時まで、宇都宮市宮園町の東武宇都宮百貨店四階で無料相談会を開く。
 佐々木部長と獨協医大の盛川宏医師、自治医大の瀬島尊之医師が鼻に関する相談に応じる。希望者は当日、直接会場へ。