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 2007/02/27/ 下野新聞掲載記事

3月3日は「耳の日」

獨協医大・深美講師に聞く

見過ごされやすい中等度難聴 子どもの言語獲得に影響

 子どもの難聴は中等度の場合、ある程度の会話ができるため、発見が遅れることが少なくない。中等度の難聴は放置すれば年齢的に必要な言語力が遅れ、学業についていけず、集団生活に影響が出ることもある。獨協医大耳鼻咽喉(いんこう)科の深美悟講師は「健診で指摘されたり日常生活で難聴の疑いがあれば、近くの耳鼻科を受診してほしい」とアドバイスする。三月三日は耳の日。

 聞こえの神経が原因の子どもの難聴(感音難聴)は千人に一人程度見られる。「早期発見のために新生児の難聴スクリーニング検査は県内でも産科の約75%が行っている。検査で異常なしとされても、その後、感音難聴が起こることもある」と深美講師。
 通常、一歳半前後で言葉を、二歳で二語文を話すようになる。中等度の難聴があると、小学校入学時で三歳程度、十歳で六歳程度の言語力にとどまるという。
 「遅れはあるが言語を獲得するので、重度より中等度の方が気付きにくい。『もう少し様子を見る』でなく、疑いがあればきちんと検査する必要がある」
 乳幼児は成人が通常行う検査では聴力を測定できない。聴性脳幹反応(ABR)、条件詮索(せんさく)反応聴力(COR)検査などの専門的な乳幼児聴力検査は、県内でも獨協医大、自治医大、済生会、足利日赤、国際医療福祉大の各病院などで受けることができる。
 三五デシベルが聞こえれば、日常生活に支障はない。五〇デシベル以上になると、子どもでも補聴器をした方がいい。言葉の遅れがあるのは、両耳が難聴の場合で、片耳であれば遅れは起こらない。深美講師は「軽中度難聴は会話が可能なため、家族も難聴を疑わない。言葉が遅れぎみ、聞き返しが多い場合、様子を見ずに近くの耳鼻科を受診してほしい」と話している。

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 ▼来月4日、宇都宮で無料相談会 日本耳鼻咽喉科学会県地方部会は三月四日、東武宇都宮百貨店四階特設会場で「耳の日無料相談会」を開く。耳鼻科医三人が耳はもちろん鼻、のどなど耳鼻科全般の相談に応じる。午前十一時から午後四時まで。直接会場へ。