日本耳鼻咽喉科学会 栃木県地方部会
 

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 2008/08/02/ 下野新聞掲載記事

副鼻腔炎/鼻づまり、注意力散漫

内視鏡手術も可能に

 鼻周辺の骨の空洞に炎症が起きる副鼻腔(ふくびくう)炎。慢性の場合、蓄膿(ちくのう)症とも呼ばれ、誰でもかかり得る鼻の病気だ。

 成人でも鼻づまりはつらいが、子どもの場合、いびきや睡眠時無呼吸症候群などにもつながり、学校で注意力が散漫になったり眠くなったりする恐れも。

 獨協医大耳鼻咽喉(じびいんこう)科の月館利治(つきだてとしはる)医師は「手術が必要な場合でも、最近は内視鏡で済むので負担は少ない。気になる症状があれば専門医を受診してほしい」と話す。八月七日は「鼻の日」。

 副鼻腔はほお、両目の間、まゆの上辺りの骨の中にあり、ここの粘膜に炎症が起こる。風邪などをきっかけに細菌感染することが多く、短期間で治る急性と、長期にわたる慢性とがある。またぜんそくから副鼻腔炎になる場合もあり、治りにくく再発しやすい。

 鼻中隔わん曲など、鼻の構造からかかりやすい人もいる。「生活環境や鼻の構造が似ていることから、親子で副鼻腔炎になるケースはありますが、遺伝はありません」

 症状として(1)鼻づまり(2)黄色いうみ状の鼻汁(3)うみの臭いにおいがするか、逆ににおいが分からない―などがある。また急性の場合、副鼻腔周辺に痛みを伴うこともある。

 治療は軽症の場合、投薬で行う。少量の抗生物質を二、三カ月ほど服用すると効果的だ。また炎症によって鼻たけ(ポリープ)ができている場合、除去手術を行う。最近は鼻の穴から内視鏡を入れ、取り除くことができる。

 乳幼児の場合、保護者が鼻汁の色に注意してあげると早期治療につながりやすい。「鼻たけが大きくなりやすい子もいる。鼻づまりの強い子は受診をした方がいい」と月館医師。

 また、単なる鼻たけではなく、悪性腫瘍(しゅよう)の可能性もある。「たかが蓄膿症」と甘く見ることは禁物だ。

■「鼻の日」の無料相談会/あす宇都宮

 日本耳鼻咽喉科学会県地方部会は3日午前11時から午後4時まで、宇都宮市宮園町の東武宇都宮百貨店4階特設会場で「鼻の日」無料相談会を行う。

 同部会の専門医3人が鼻はもちろん耳、のどの相談に応じる。

 希望者は直接会場へ。受け付けは午後3時半締め切り。